気温が上がる様になると 『立ちくらみ』
が多くなります。
血圧が正常よりも低い状態を 低血圧 と言いますが
一般には収縮期血圧 (いわゆる上 )が100ないし110mmHg以下をそう呼んでいます。急に立ったり、長時間立ち続けて居ると
立ちくらみ、めまい等の症状が現れる場合を
起立性低血圧と呼んでいますが、その本態は脳を回る血液量が
一時的に減る為です (正確には新しい状態に対応して血液量が増えない為
)。
血液も重力にも従うので、静かに立って居る状態では心臓より高い所の血液は心臓に戻り易く逆に低い部の血液は戻りにくくなります。腕や脚の筋肉だけで全体重の35から40%を占めており、
体重65kg の人の血液量が5リットルあるとするとその90%が肺以外(大循環)
を流れており 、その内 動脈血は900ml、残りがその4倍の量(3600ml)の静脈血です。だから安静の状態ではかなり大量の血液が静脈、それも腕や脚に蓄えられている事になります。
従って血圧の低めの人や血管を支配している自律神経の働きが十分で無い人では、体位の変化に脳循環が即応出来ないで
めまい や 立ちくらみが起こる事になります。又、気温が上がると体温調節の必要もあって汗が多く出るようになり、これも末梢の血管を拡げて、脳循環に影響します。この様な人では
めまい や 立ちくらみばかりで無く、不眠、頭痛、だるさ、疲れ眼、脈の乱れ、肩凝り、一寸した事で汗をかき易かったり、冷えを感じたり、動悸、息切れ、食欲不振、胃部のもたれ、吐き気、下痢や便秘、又、朝が中々起きられない、等の症状がでます。
これらの症状を改善する為には薬物もありますが、先ず偏食を避け、きちんと食事を摂る事、適度な運動を心掛けて、筋肉質の体を造る事、ストレスをためない事、そして日常ずっと立って居る事の多い職種では、時々、殊に脚の筋肉を収縮させて、溜まりがちな血液を出来るだけ循環系へ戻す様に努める事です。朝、床から離れる時も、直ぐには起きないで、四肢の筋肉を力一杯曲げ伸ばししてからゆっくり起きる方が良いでしょう。